2012年4月29日日曜日

震災で消えた小さな命展⑦



f:id:takagi-namako:20120429123400j:image:w360
(一口坂ギャラリー)


被災地での巡回を終えた絵たちが、東京に戻ってきました。
26日の初日から、たくさんの人が訪れてくださっているそうです。
様々なメディアに取材されたことと、作家の皆さんがたくさん広めてくれたおかげです!

私も、昨日母を連れて会場に行きました。ギャラリーの方、ボランティアで会場係をしていただいているたくさんの方、そして毎日会場係をしてくださっている作家のまつやまさん、うささん、本当に有難うございます。
お手伝いも出来ず、申し訳ありません。

亡くなった命たちの絵が展示されている場所に、こんな表現はそぐわないのかもしれませんが、ギャラリーはとても幸せな気持ちがあふれた空間でした。
 突然の災害で命を終えてしまった動物たちが、今も涙を流して彼らを思い出す飼い主さんたちに対して、
「心配しないでね、今は素敵な場所にいるからね。」
と伝えているように思え、こうして文章にしていても涙があふれてきます。


 私が描いたRちゃんも、私の手から離れてから久しぶりに再会したら、強く自己主張しているように感じました。目の前にやってきた私に、まるで、こんなふうに言っているように思いました。
「ああ、久しぶりだね。盛岡で大好きなパパやママたちに会えたよ!
おうちに帰るの楽しみだよ。」

2次元の世界に描かれた絵が、3次元・4次元を超え、心と心を行き来しているのを実感させられた日でした。




2012年4月22日日曜日

震災で消えた小さな命展⑥



f:id:takagi-namako:20120416190443j:image:w360
(Rちゃん たかぎなまこ)


盛岡での展示が20日から今日までの3日間開催され、被災地東北での巡回は今日が最終日。搬入や会場で協力していただいたボランティアの方、星野さん、さくらいさん、うささん、有難うございました。

そして、私が担当させていただいたワンちゃんを申し込みされた方も
今日、会場へおこしいただいたそうです。同じ県内と言っても遠い、盛岡の会場までいらしてくださって、本当にありがとうございました。


作品の中によみがえった動物たちは、これからもう少し長旅をするのですね。きっと、すぐに戻ってきてほしいと思われた方もおられるでしょう。

 でも、あと少し、とても大切なことを伝えるための長旅です。
被災しなかった人々の胸に、あの震災でこんなに愛らしい命たちが惜しくも消えてしまったことを伝え、この先このような震災が起きた時、少しでも救かる命が増えることを祈る旅です。
もう少しだけ、帰るのが遅くなるけど、待っていただきたいと思います。




2012年4月15日日曜日

震災で消えた小さな命展⑤



f:id:takagi-namako:20120415154410j:image:w360

13日から石巻市で始まり、今日が最終日です。
朝日新聞の夕刊(全国版)には上の写真と記事が載ったそうです。
ひろかわさん、うささん、搬入や取材などおつかれさまです。
(偶然私の作品がひろかわさんの肩越しにちゃっかり載っていました!このような形で、ひろかわさんやうささんと一緒に写してもらえて、光栄です。)


今日は日曜日で、私は庭の草抜きなどをしていて、思わず声をあげました。
f:id:takagi-namako:20120413170120j:image:w360
(ゴールデンベル)

待ち望んでいた花でした。
実は、この、ひっそり地味な水仙「ゴールデンベル」は去年の3月末に植えたのですが、今シーズンのあまりの寒さにしんなりしていて、花をあきらめていたところでした。
梅や桃がずいぶん遅れて咲き、桜も1週間から10日遅れた今年の春だったので、庭の一角にゴールデンベルが咲いているのを見つけたら、
なんだかじんわりと足元が温かくなった気分でした。

展覧会が開催されている東北の地は、まだまだ春の兆しは無いと思うのですが、あと半月後には桜が咲くのですね。




2012年4月9日月曜日

春を感じる季節



f:id:takagi-namako:20060503150725j:image
(赤城山麓の早春)

震災で消えた小さな命展ー多賀城での展示が終わりました。
搬入と搬出作業をしていただいた、たくさんのボランティアの皆さん、タカタさん、うささん本当にお疲れ様でした。有難うございます。

南関東では桜が満開となり、私も近隣の公園へ桜を観にいきました。
桜の木だけでなく、黄色い水仙の仲間や、花にらが華やかに咲いていて、
草や土の匂いが立ちのぼっていました。

この季節の、あふれるようなエネルギーを見ると、
毎年私は何故か季節をさかのぼり、もう一歩手前の早春が残る場所へ
出かけたくなってしまいます。
まだ芽吹き前のベージュ色の野山に、ぽつんと咲く山桜、コブシ、マンサクを見たくなるのです。
谷間を埋める雪が、静かに溶ける音が聞こえてきそうな山へ出かけたくなるのです。

でも、考えてみると、今の季節に限ったことじゃないかもしれません。
季節が過ぎようとすると、「ちょっと、待って。」とついつい思ってしまい、一つ前の季節をもう一度感じてみたくなる、そんなワガママな思いなのかもしれません。その季節のさなかに居る時には気づかないくせに、勝手なものですね。