2012年5月13日日曜日

怖い 怖い 渦



f:id:takagi-namako:20120512183252j:image:w360
(十数年前の5月・三宅島にて)


5月は、1年で1番私が好きな月です。
ゴールデンウィークをバタバタと過ごし、平常日課が戻ってきたと思ったら、5月はすでに10日も過ぎていました。

先日、茨城県で恐ろしい竜巻が発生した映像をテレビで見ました。
竜巻は、本当に怖いです。

でも私は、幼い頃から大人になっても、そんな恐ろしい竜巻を、一度でいいから見たいと思っていました。
恥ずかしい話ですが、オズの魔法使いのように、あの渦がどこか不思議な世界へ通じているような気がしていたのです。

 そんな私のバカな思いを打ち砕いたのは、十数年前に三宅島を訪れた旅の時。まだ噴火する前の三宅島を、フェリーに自転車をのせて行きました。
 島の長い坂道を登って行く途中、突然の雷雨に見舞われました。
大粒の雨と稲妻…落雷が怖かったので、自転車から離れ、どこかに身をかくそうとして周囲を見渡した私の目に、灰色の巨大ホースが立ち上がっているのが飛び込みました。
それは、海面にそそり立つ竜巻でした。

身の毛がよだつという言葉を、身をもって体験したのはそれが初めてでした。震えながら、前方でうねる2本の竜巻を見上げ、私は足がすくんで動けませんでした…。
 こちらに載せた写真は、その時、たまたま手に持っていたインスタントカメラで撮ったものです。身の毛がよだつ思いをしてから、その後ずいぶん時間が経ち、竜巻が海上を遠ざかりつつあるのを知ってから撮影しました。


 竜巻は、まきこんだものを不思議の世界になど連れて行ってくれません。
巻き込まれた命は奪われるし、通り道にあったものは壊され、地上にたたきつけられてしまいます…。
 あの時以来、私の竜巻への憧れは、あの黒々とした空へ吸い込まれて、どこかへ消えてなくなりました。

大好きな5月に、もう、あのような痛ましい災害が起きないように、
祈っています。




0 件のコメント:

コメントを投稿