2013年11月16日土曜日

弱くて強いもの



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(弱くて強いマツ)

 この一ヶ月ほどを何かとゆとりなく過ごしてしまい、
秋を見ぬまま冬を迎えようとしていました。
一度は秋に触れたいと思い、先日群馬県の山へ出かけました。
紅葉シーズンはほとんど終わりかけ、スキーシーズン前の静かなひととき。
こんな時期だと、土日でもそれほど登山道や温泉宿も
混雑していないので、ねらいめでした。


 草津白根山から万座温泉までの6キロ少々の道のりは、
刈払いもされていて、よく整備されています。
麓に近い木道には自然観察のために
様々な説明板が設置されていました。
硫化水素ガスがあちこちで発生している火山帯砂礫地の斜面で
『弱くて強い植物』というタイトルの案内板を見つけました。
周辺に生えていたマツ科のオオシラビソについての説明です。
「このマツは環境の良い場所では他の植物に負けてしまう『弱い
植物』ですが、ここの硫化水素地帯のように植物が生育しずらい
厳しい環境には生きることが出来る『強い植物』なのです。」

 
 生物は常に生存競争をして生き残っていくといわれますが、
競争するよりゆったりひっそり争わずに生きる方がいいよと
思っている生き物もいるのでは?
負けたから、仕方なく条件の悪い場所へ逃げた…それだけじゃない
気がします。
『弱くて強い』という案内板のタイトル、何気ない言葉ですが、
いいなあと思いました。





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