2013年12月29日日曜日

うまにのったサンタさん



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 ずいぶん昔にいただいたお気に入りのサンタクロースです。
ねじを巻くと、白いお馬さんがひょこひょこ飛び跳ねるように進みます。
「サンタさんが、馬にのっている?それにどうして鼻が赤いの?」
と不思議な思いがわきおこります。

 クリスマスを無事に終えて、トナカイとわかれたサンタさんが、自分の家に帰る時に馬に乗せてもらっているのかもしれません。鼻が赤いのは、ワインを飲んだから。
 ヨーロッパの(イギリスかどこか?)のクリスマス風景をテレビで見た時、イブの夜に訪れるサンタさんをもてなすために、ツリーの下にワインを注いだグラスがありました。
その隣には、トナカイさんたちのためにお皿にニンジンがのっています。
「大変だったでしょう、さむかったでしょう。食べて飲んでいってね。」
というねぎらいの気持ちをこめておいてありました。


 私はそれを見た時、子どものころ自分はサンタさんにお願い事ばかりしていたのに、
彼らをもてなしたりねぎらったりする心がなかったことを思い知りました!
 大人になった今は自分がサンタさんにお願いすることはなくなりましたが、お願いごとをする子どもに会ったら伝えています。サンタさんとトナカイさんへのささやかなプレゼントを置いておくといいかもよ、と。

 
 鼻赤のサンタさんは、あと2日でうま年をつれてきてくれます。
2014年が、おだやかで素敵な年になりますように。




2013年12月21日土曜日

震災で消えた小さな命展・・・25



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〈毎年かざる小さなツリー)
 4日前の水曜日、小さな命展の活動がNHK〈インターネット)で国際放送されました。
私はリアルタイムでは見られませんでしたが、アップされた動画を見ることが出来ました。
消えた小さな命のことを海外の方たちにも知ってもらえたこと、海外の参加作家の方たちにも見てもらえることが嬉しいです。
 
 それから、岩手県宮古市の方たちから心のこもった感謝状をいただきました。命展パート2に参加した作家全員へ、一つずつ色紙を丁寧につくってくださったのです。中には絵になった子たちや会場の写真とメッセージがはってありました。本当にありがとうございます。

 
 動物と人間の付き合い方、位置関係は国によってもずいぶん異なるかもしれません。
動物と一緒にゆったり座れる車両を連結した列車が走る国、動物実験が禁じられている国…。
そうかと思えば、かなり劣悪な環境で毛皮を量産していたり、動物を虐待するレジャーを楽しんでいる場所がある情報も、インターネットを通じて入ることがあります。

 
 けれど、やはり国や場所ではなくて各個人の心もちしだいです。私たち日本人も、ある国の人々から見れば「野蛮」と思われていますが、国単位でそんなふうに思い、思われるのはそれこそ乱暴な話です。
 命展の活動でうささんが言う「一人でも多くの人が気づき、ほんの少し思いやることで一つでも多くの命が救える」言葉は、まさにその通りだと思います。
 膨大なネットの情報の中に、国際ニュースとして流れた小さな命のレポートは、見た人の心に必ず何か残してくれる気がします。ニュースラインのサイトにアップされている数日間、見てくれる人が地球のあちこちにいることを想像し、嬉しくなりました。





2013年12月2日月曜日

においの記憶



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(嵐の後の九十九里浜)
突如、ある匂いによって遠い思い出に引き戻されることがあります。
この香だとあの風景を思い出す、とわかっているものもあるのですが、
一体自分は何故この香に反応し、遠い記憶を思い出したのかな?
と不可解な時もあります。
 
 南風が強かった数日前、その不思議な匂いに会いました。
花か草木の匂い?が、なまあたたかい強風の空中を断片的に飛んできました。
匂いによって引き戻されたのは5歳頃、近所の家の庭で遊んでいた風景。
その家は庭が広く、木がたくさんしげっていたので、家屋自体はあまり見えません。
 立派な門の横に幹の太い巨木が生え、木を囲むように低い塀をめぐらせた
小さな広場がありました。木のそばに椅子が置いてあり、5歳の私は近所の友達と一緒に主のおばあさんとお話していました。
おばあさんは、幼い私たちに、美味しいお菓子と面白い話をプレゼントしてくれたのですが、残念ながらどんな内容だったか憶えていません。
 はっきり憶えているのは、おばあさんの白髪が銀色に輝いていたこと。
そして、巨木に洞があったこと。私の身長では首をそらしてやっと見えた穴。
「あの中には何があるのかな?」
それを見上げるとなんともいえないワクワクをかんじました。

 
 5歳の時に居たその町から、私はたくさんの引越しをしているので、おばあさんとも近所の友人とも音信不通になりました。何年か後、大好きな童話『長靴下のピッピ』を愛読した時、その庭先の洞のある木を思い出しました。ピッピの庭にある「レモネードが成る木」が思い出させてくれたのです。それから今までずいぶん長い間、この記憶はホコリをかぶったままでした。

 
 そんな思い出へ引き戻した匂いは、あの巨木の葉か幹か花の匂いだったのかもしれません。
「あの木は、何ていう名の木だったのかな?」
母に当時のことを聞くと、おばあさんのご主人が病気で寝込んでいたこと、子ども好きで私や友人をしょっ中招いてくれていたことは憶えていましたが、あの木の名前はわかりませんでした。
 台風なみの低気圧が暴れまわった先日、大気中には、遠い場所から運ばれた匂いが撹拌されていたので、普段は香らない匂いもちぎれ飛んできたのでしょうね。
その正体がつかめず残念です。