2015年3月19日木曜日

緑色のかわいい鳥


 寒さがゆるんだ朝、近所の畑地や藪から様々な鳥の声が聞こえました。
いつも元気なヒヨドリを始め、ケンケン!(キジ)・ホーホケキョ(うぐいす)・キョキョキョ…(つぐみ)
それから、チョットコイ!とコジュケイも高らかに鳴いていました。
 写真は、椿の大木が繁る、千葉県旭市の史跡公園で撮りました。すばっしっこくてとても追えないメジロが、偶然真ん中に写ってくれました。花の蜜を舌でせっせと吸い取っているようです。黄緑色の美しい身体が、濃緑と赤の椿を転がるように飛び回っていました。
 メジロよりか濃い緑色の鳥で、アオバトという鳩がいます。森の深いところに住んでいるので、山で姿をみることは難しいですが、集団で海水や温泉水を飲みにくることが話題になったこともあります。繁殖期でも草食を続けるので、体に必要なミネラル分を補給するために海水などを飲むらしいですが、いろいろ生態に謎が多いのでした。
 彼らの鳴き声がまたおもしろい、というか素敵です。
「アオアー…オーアオーアオー…」尺八か低めのオカリナを物悲しく鳴らすような声で鳴きます。
 私は、神奈川県大磯町の海岸で、海水を飲みに来ていたアオバトグループを見たことがありましたが、声はなかなか聞けませんでした。
 初めてその声を聞いたのは、丹沢山塊の桧洞丸(ひのきぼらまる)という山の中。山ツツジの咲く春、夕暮れになる頃たちこめた霧の中です。ミズナラやカンバの深い森の下山道で、低く聞こえたその声はかなり神秘的で、感動しました。
 ところが、アオバトは地方によってマオドリ(魔王鳥)と呼ばれ、不気味な鳴き声の不吉な鳥として伝承されているそうです。
 山中でマオドリと出会ったり声を聞いたりするのは、不吉なことが起きる前触れだというのですから、アオバトファンの私もびっくりでした。
 その伝承を最初に言い出した人が、もし素晴らしいレンズの双眼鏡であのかわいい姿を見ていたら、そんなことを思わなかったのでは…?
森の奥に住んでなかなか姿を見ることが出来ない鳥の、声のみがひっそりとひびいていたから、想像がふくらんで不気味な鳥になってしまったのでしょうか。
人間は、未知の事象が怖くて、調べてはっきりさせないと安心できない生き物なのかもしれません。
怖くて怖くて、だから未知であったり解りあえぬ事を、否定や攻撃したくなるのかもしれません。

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