2015年5月31日日曜日

チューリップの樹



 現在描いている絵にチューリップが出てくるので参考資料を検索していたら、チューリップツリーという樹木がありました。
ハンテンボクやユリノキという日本語の名前で聞くことか多い樹木です。
そういえばご近所にこの木かあるのを思い出し、ベランダから眺めたら、ちょうどチューリップ
そっくりの花が咲いていました!

 今は空き家になっているそのお宅の隅で、立派な大木に育っています。
さわやかなライトグリーンの葉に、クリーム色とオレンジラインの花。
私の好きな朴の木と同じモクレン科の親戚のようです。朴の木もそうですが大きめな葉の上に咲き、しかもそれが高いところに多いので、なかなか下から見えません。ベランダからズームで撮ってみました。
5月最後の日、さわやかな樹と花にあえて嬉しかったです。

2015年5月20日水曜日

好きな雨


 昨日、昼の間降った雨が止み、とてもきれいな夕焼けを見られました。
稲の列も、夕焼け色の水面に整列していました。
奄美地方が梅雨入りをしたニュースをききましたが、沖縄地方が今年まだ梅雨入りしていなかったのには驚きました。毎年、連休明けくらいに梅雨入りをきくような気がしたのですが。

 沖縄の八重山諸島の言葉で、「もらったあみ」と呼ぶ雨があるのを、ずっと前に聞いたことがあります。「もらった雨」という意味で、急に降るにわか雨のことです。
空からもらった雨なのだと知って、いい言葉だな~と忘れられずにいる好きな雨の名前です。
 急に雨にあえば「あ~あ…。」と空をうらめしく思うことが多いですが、空からのプレゼントをありがたく思う生き物が、人を含めてたくさんいることを思い出せる言葉です。私もミニトマトの苗を植えたばかりだったので、昨日空からもらった雨がうれしかったです。

2015年5月9日土曜日

震災で消えた小さな命展・・・31

連休最後の5月6日、一日だけ開催した宮城県多賀城市文化センターへ、命展とフジコ・ヘミングさんのコンサートへ行って来ました。ホール横の展示場所は細長くて天井が高く、とても落ち着く空間でした。いつもたくさんお世話になっている仙台のボランティアの方たちとお会いでき、素敵な空間で過ごせたことが嬉しかったです。

 フジコさんのピアノは以前から大好きで、ミュージックプレーヤーにいつも持ち歩いているのですが、生で聴くのは初めてでドキドキしました。最初の方の演奏曲が少し緊張されているような印象だったので、観ている私まで緊迫してしまったのですが、3曲目あたりからそのような空気は霧散しました。
 滑らかにやわらかく、ものすごく芯が強くて安心する…心の奥が熱くなる演奏でした。コンサートやライブというものにほとんど行かない私ですが、来て本当に良かった、とつくづく思いました。
 丸く穏やかな背中と、決して長くない腕と指は、観ているかぎりでは激しく動いていません。むしろゆったり静かなのですが、奏でる音は細分化し、すばやく鮮やかにホールをかけめぐるのです。
 不思議と感動につつまれたままコンサートは終わり、運よくフジコさんと握手をしていただくことができました。
 その時、フジコさんが弾いていたグランドピアノが、大きな黒い動物のように思いだされたのです。フジコさんは弾いていたのではなく、ピアノみたいな動物を、ゆったり優しくなで続けていたような気がしました。
 毛のかたまりをシャシャッとほどいたり、浮いた抜け毛をふわっと宙へとばしたり、こった背中をぐいっと押したりするように。
 フジコさんの手は、ぽんわり丸くて分厚く、とてもあたたかでした。どうか、いつまでもあのあたたかい指から、優しくて強い音が世界へ広がりますように願っています。フジコさんが『命展3』のために描いてくれた魅力ある猫ちゃんのような、幸せそうな命が増えますように、祈っています。