2015年7月3日金曜日

るすばんねこ 4

16日間のるすばんを終え、4日間うささんとぺったり過ごしたニャアコちゃん。
うささんは、今日3日の岩手県花巻市の講演・5日からの新潟展へ旅立ちました。
再びるすばんねこになっていることを、見送ったばかりでよく分かっていない様子のニャアコちゃんです。

 ニャアコちゃんの足を投げ出した姿がウサギみたいでかわいくて、写真を撮りましたが、怖い事を思い出しました。
18年も昔のことですが、青森県の五能線沿いで途中下車して散歩していた時、路肩に足を投げ出して寝そべる一匹の野良猫と会いました。その猫はまるでリラックスしているような寝姿なのに、近づく私にはげしく威嚇しはじめ、きばをむく勢い。不自然に上半身だけ持ち上げています。
 3mほど近くに来てやっとわかりました。右後足をトラバサミに挟まれていたのです。
どうしよう…青ざめた私は何かそのワナをこじあけるものがないか探しました。
 猫は私の緊迫した気配におののいたのか、鎖がついたトラバサミをひきずって歩き始めます。ガシャン、ズルズルと金具を引きずる路面に血の跡がつきました。
逃げないで、なんとか外したいから!という気持ちなど通じません。彼らにとっては恐ろしい人間の一味ですから。
 猫は私を警戒しながら農家の庭にある倉庫に入っていきました。そっとついていくと、ちょうど家人が通りかかったので理由を話しました。
「ああ、もうすぐ死ぬべ。そしたら外せるから。」
なんでもないことのように言って、その人は家へ入ってしまいました。
 しばらく呆然としていた私でしたが、近くに転がっていた棒をもって猫に近づきました。倉庫の角に追い詰め、そばにあったビニールシートで猫を覆いながら必死に金具へ棒をさしこみました。ガチャンと音をたてて金具が開いたと同時に猫は3本足で飛び出し、跳ねるように5mほど遠ざかった所で立ち止まって振り返りました。真っ赤ですが、足がちぎれずについているのは見えました。そして猫は路肩のしげみへ消えてしまいました。
 私は血だらけのトラバサミをぶら下げ、降りた無人駅へ走りました。一刻も早くその場所を去りたかったし、悲しさと怒りがまざった激しい気持ちでした。駅のゴミ箱へ、トラバサミに空き缶をいくつも挟み込み、くさりでめちゃくちゃに縛って捨てました。
 
 8年前の2007年には、あの恐ろしいワナを使うことは法律で禁じられていますが、以前は当たり前のように害獣(野良猫も含む)に使われていたと、後で知りました。

 ニャアコちゃんのかわいい姿を見ながら思い出した恐ろしい事ですが、野良猫出身のニャアコちゃんも、何か怖い体験をしているかもしれません。もしそうなら早く忘れ去ってほしいものです。

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