2015年10月31日土曜日

ふせがき

(秋の日の贈りもの 絵・うさ より)
秋に実る柿の実をすべてとらずに少し残しておき、冬の間食料に困るであろう鳥や動物にあげる習慣があるそうです。それを、布施する柿『ふせがき』というと、ずいぶん昔に知りました。
 そこから思いついた小さな物語に、うささんが絵をつけてくれて、今年FM愛知の小冊子・エコメンド内に載せていただきました。山の熊たちの食べ物が乏しい、ある年の秋の話です。
 上の絵は最終場面。山と村の境目にある柿の木に、吊るし柿がたくさんぶら下がっていて、たくさん食べてねとメッセージが下がっています。
 びっくりして感激しているのは、人間によって母熊を失った子ども熊。熊たちのために柿を枝に吊るそうと思いついたのは、村に住む小さな人間の子です。
 
 熊が人里に出て捕獲されるニュースを毎年聞くたび、胸が痛みました。
人里に来させないために、食べられる農作物などを畑や野に残してはいけない、という意見も聞きます。でも、熊たちに、山と村の境界で食物を提供する「熊の畑」という活動をされている方たちもいるそうなのです。
 
 私の物語は現実的じゃないかもしれませんが、ふせがきという言葉と、その心はずっと消えずにいてほしいと思います。

2015年10月10日土曜日

るすばんねこ 6


ニャアコちゃん、再び2週間のるすばん中です。
トマトにかわってコスモスが咲く軒先で、ピンクも似合うニャアコちゃん。風でゆれるお花に視線を翻弄されています。  

 ニャアコちゃんは、ちょうど一年前の10月初旬、うささん宅へ保護されました。二週続けて、大きな台風が関東を直撃した時でした。
 
 ニャアコちゃんを室内へ入れた時、近所には、のびのび自由に外で過ごしている方が幸せだよね、と言う方もいたそうです。
私も、数年前まではそんなことを思っていました。自分がもし猫だったら、家より自由に外がいいななどと、口にしていました。 想像できるはずない、無責任な発言でした。  

 野良猫生活は、ケンカやケガ、病気や交通事故…いつ命を落とすかわかりません。 さらに、現代は残念なことに、歪んだ精神の人間による猟奇的な殺害まであります。  

 充分な食べ物と争わなくて良い広さがあり、車がブンブン走っていなくて、歪んだ人間も入ってこない土地ならば、 外で自由に暮らして幸せかもしれません。

  野良時代のニャアコちゃんも、先住猫との確執や寝場所探しに追われていたようです。 当時は、常にビクビクしている姿が印象的でした。
今は脅かされるものもなく、ガリガリの逆三角顔から、丸いお顔になりました。
窓際の丸い桶がお気に入りです。