2016年6月29日水曜日

ネムノキの花

(ご近所の軒先で撮影)
 大好きな樹と花の一つです。ご近所にあるのでこの時期思い出すと観にいっていますが、大木になるし、毛虫もつくので、住宅地では最近あまり見かけない気がしました。
 今週初め、この樹がのびのび大きく枝を広げている場所へ行ってきました。
茨城県で動物保護をされているNPO法人CAPINさんのシェルター裏山です。
 はじめておじゃまして、ワンちゃんのお散歩お手伝いもさせていただきましたが、その途中ネムノキの大樹に会えました。大きな枝に、たくさんのフサフサピンクのお花をのせ、梅雨の晴れ間の太陽を浴びていました。
 ネムノキと同じように、のびのび暮らしている犬猫さんたちと会わせていただきました。
『震災で消えた小さな命展3』でお会いした参加作家のドラメイさん、そして先月から熊本で活動を共にさせていただいた鶴田さんからうかがっていた通り、本当にあたたかい空間のシェルターでした。慣れていない子達、人が大好きな子達、さまざまな犬猫さんたちがたくさん暮らしていましたが、お世話に通ってくださるボランティアさんの愛情に囲まれて元気そうでした。どの部屋にお邪魔しても、「あなたたち、ここにこられて、ほんとによかったね。」と心から言いたくなりました。

 ワンちゃんのお散歩をしながら、
「この子は、本当にかわいそうな状態で保護されたんだよ。飼われていたにちがいないのに、ひどいものだった。」
と教えてくださったベテランのボランティアさんがいらっしゃいました。首輪がついていたのにヨレヨレで、病気にもかかっている状態で保護されたそのワンちゃん。現在はベテランボランティアさんと嬉しそうにお散歩に出かけ、穏やかにみえました。
 常総市の野犬問題などを含め、茨城県がかかえるさまざまな動物問題、いろいろうかがっています。(CAPINさん のページhttp://ameblo.jp/capin-blog/
よそ事ではなく、自分たちの地域に関しても探究しておかなくてはならないことだと、つくづく思います。
 
 ネムノキの花、今年はご近所だけじゃなくて、あんなに大らかな樹花たちと出会えたことが嬉しいです。そして、素敵なシェルターへまたおじゃまさせていただきたいです。

2016年6月19日日曜日

るすばんねこ 12

 
るすばん20日目のニャアコちゃん。命展と熊本支援で、6月はうささんと会えなさそうです。
ニャアコちゃん、今の時期とてもよく毛が抜けます。金属製のスリッカーブラシでとかすと、気持ちよさそうなのですが、だんだん嬉しくなるのか、ブラシにちょっかいを出すのでした。ブラシと遊びたくなってしまうので、なかなかブラッシングが進みません…。
 
 以前、新緑の丹沢山塊を登山中、小鳥が巣材を拾い集めているのを目撃しました。繁殖期の親鳥は、巣作りの材料に獣の毛も利用するそうです。双眼鏡のレンズには、タヌキかだれかの抜け落ちた毛をくわえている小鳥が見えました。
 しばらく双眼鏡で追っていると、私のいる登山道へ舞い降り、地面の上の何かをついばみ始めました。
 どんな巣材を見つけたの?とのぞいた私は思わず、それはダメ!と大声をあげてしまいました。
そこに落ちていたのは、タバコの吸殻です。小さなくちばしで、吸い口のフィルターをつつき、巣材に使おうとしたのでしょう。黄ばんだフィルターの綿が半分ほぐれていました。あんなに有害物質を吸収しているものを、巣材にしてもらいたくありません。山にもたくさん住民がいることを考えない人間が多く、空しい気持ちになりました。
 登山道のゴミをすべて拾うのは難しいですが、私はなるべく吸殻くらいは拾うようになりました。日本だけでなく、オーストリアのチロル地方も、イタリアのドロミテ山地も、吸殻を捨てていく人間はいました。でも、同じように拾いながら歩く人間にも会えました。空しさが半減します。
 
 ニャアコちゃんの抜け毛も、巣材に利用したいダレカがいるかもしれないのですが、さすがにこれだけたくさん毎日抜けると、庭にとばしたらご近所迷惑になります。毛を飲み込まないよう、気をつける日々は、まだ続きそうです。
 


 

 

2016年6月8日水曜日

熊本のこと・・・2

 
(熊本上空から 美しい山並み)
 先週木曜夜~日曜、熊本へ行ってきました。3度目の今回、茨城県のNPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワークCAPIN」の鶴田さんとご一緒させていただき、お手伝いをしてきました。
 常に素晴らしく行動力ある鶴田さんの計画は、熊本県の『動物管理センター』から被災猫をひきだして、預かりをしてくださる宮崎県のボランティアさんの方へ届けること。そして、比較的元気な猫は、翌朝、宮崎空港から飛行機で東京のボランティアさんへ送るというものでした。
 ミルクを飲む仔猫たちのケアが不十分なセンターの環境に、これ以上おいて置くことは死につながると判断された鶴田さん、なんと仔猫24匹・成猫5匹の合計29匹を一度に引き出したのでした!大胆かつ迅速な決断力に、感動しました…。
 
 熊本・益城から高速に乗り、宮崎へ。途中、かつて観光と登山で訪れたことのある、球磨川沿いの美しい山間地や、霧島連山に続く大好きなえびの高原のふもとを通りました。
 私の運転する車の前を行く、鶴田さん・宮崎の野中さんの車には、出発前から弱っている仔猫がいました。鶴田さんが座席を乗り越え、仔猫がいる荷台でお世話をされているのが見えました。

 けれど、宮崎市内の動物病院駐車場で、ゲージを開いた野中さんの悲痛な声でその命が終わっていたのを知りました。手足を伸ばした仔猫の身体は、冷たく硬くなっていました。
 2時間前には生きていたのに。高速道路沿いに見える山並みの美しさを眺めていたあの時が、仔猫の命の灯が消える瞬間だったのかもしれません。
 仔猫の命が消えた理由はたくさんあります。管理センターでの過ごし方、その前の保健所へ回収された経緯、大地震。何よりも野中さんがその仔にミルクをあげながら言った言葉を後から聞き、心に突き刺さりました。
―育たん猫は、こういう顔をしちょるわ…。

 わずか72時間ほどの熊本滞在中、たくさんの被災猫たちの命をつなぐ手伝いが出来たこと、本当に良かったです。でも、そのうちの2時間、命を消しつつあった仔猫と宮崎まで同行したこと、忘れられないと思います。