2018年2月25日日曜日

ヒミツの実

 
先日、出かけた先の自然公園で実をつけていたアオキ。薄暗い林間で、鮮やかな赤い実はつややかに輝いていました。
 実は、このアオキの実に、忘れられない思い出があります。果たして現実なのか、夢なのか、曖昧な記憶です。
 数十年前、私が通っていた幼稚園の近くに、森に囲まれた神社がありました。私は、神社の裏手で見つけた美しい赤い実を集めてポケットにおしこんでいました。家に持ち帰った私の収集物を見た母が、それがアオキという植物の実だと教えてくれた記憶があります。人の名前みたいでへんなの!と思ったので憶えています。
 ある時、いつものようにその実がある木の近くへ行くと、地面に変な形の赤い実が落ちていました。なんと、小さな人の形で半分赤く、半分は青紫色なのです。これはすごいものを拾った!と思った私は、一番仲良しのまみちゃん(というお名前だったと思うのですが)にこっそり見せました。
 アオキの赤い実と同じくらいの大きさの、不思議な人型の実。二人で話し合った結果、これは宇宙人のナニカに違いないよ!ということになり、神社の縁の下へ隠すことにしたのです。ヒミツにしておこうね!という約束をして…。
 そこまでしかない変な思い出です。夢を思い出と思い込んでいるのか、本当に不思議な実を拾ったのかわかりません。ただ単に、変形したアオキの実が傷みかけていたのかもしれませんが、今となっては、自由に空想することにします。
 宇宙人のナニカの実は、宇宙人のサナギであり、神社の縁の下で無事に目覚めたかもしれません。または、土に還って、仲間の実を増やしていたりして。あの実をさわった私とまみちゃんには、あの日、宇宙人とコンタクトをとる手段が備わったかもしれないのです!
 アオキの実を見るたびよみがえる、不思議な思い出です。

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